
「チャーハン症候群」とはセレウス菌が原因の食中毒です。
SNSで話題になっている「チャーハン症候群」
この言葉の背後にあるのは、誰もが日常的に接する可能性のある食中毒のリスクです。
チャーハン症候群の由来から症状、そして重要な予防策について詳しく解説します。
目次
チャーハン症候群の由来
「チャーハン症候群」とは、1970年代にイギリスでチャーハンを食べた人々からセレウス菌が発見されたことに由来します。
その後、欧米各国で同様の事例が報告され、この言葉が一般にも知られるようになりました。
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チャーハン症候群の原因はセレウス菌
「チャーハン症候群」は、セレウス菌(Bacillus cereus)によって引き起こされる食中毒です。
セレウス菌は、米飯類やパスタなどの炭水化物を多く含む食品において、特に繁殖しやすい性質を持っています。
セレウス菌の特徴
セレウス菌は自然界に広く存在しています。
土壌細菌の一種で、土壌、水、ほこりなどの自然環境や農畜水産物などに広く分布しています。
穀類、豆類、香辛料などは特にセレウス菌に汚染されやすいとされています。
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チャーハン症候群で死亡
2008年には20歳の男性が「チャーハン症候群」で死亡した事例がTikTokで話題になり、広く知られるようになりました。
この男性は、5日間放置したパスタを食べた後に死亡したとされています。
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チャーハン症候群の症状
チャーハン症候群の一般的な症状
チャーハン症候群菌(セレウス菌)による食中毒の症状には、嘔吐、下痢、腹痛などがあります。
セレウス菌は調理後の食品を長時間常温で放置すると繁殖しやすく、特にチャーハンやパスタのような炭水化物を多く含む食品で発生することが多いです。
重篤な場合には、肝臓の機能不全などの深刻な健康問題を引き起こす可能性もあります。
下痢型食中毒(げり)
下痢型は感染型食中毒で、セレウス菌が腸管に達し、小腸内で毒素を産生します。
約8~16時間後に症状が現れ、約24時間続きます。
このタイプの毒素は、加熱や強酸で容易に不活性化されるため、食中毒症状は一般に軽いです
嘔吐型食中毒(おうと)
嘔吐型は、セレウス菌が食品中で増殖し、嘔吐毒素を生み出します。
毒素摂取後1~6時間で症状が現れ、8~10時間続くことが多いです。
カレーライスやパスタ、チャーハンでの事例が多く、保存温度を4℃以下にすることで菌の増殖を抑えることが可能です。
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チャーハン症候群の予防策
チャーハン症候群を予防するためには、調理した食品を速やかに冷蔵保存し、長時間の常温放置を避けることが重要です。
特に、チャーハンやパスタのような炭水化物を多く含む食品は、速やかに冷蔵保存する必要があります。
また、夏場など高温多湿の環境下では、細菌の繁殖が活発になるため、食品の保存には特に注意が必要です。
チャーハン症候群の注意点
セレウス菌は加熱処理で死滅することが多いですが、場合により、高温での長時間加熱にも耐えることができます。
このため、一度冷めた食品を再加熱しても安全とは限りません。
そのため、調理後の食品は速やかに冷蔵庫に保存し、再加熱する際にも十分な注意が必要です。
見た目や匂いだけで安全性を判断するのは難しく、慎重な取り扱いが求められます
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